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出産の準備

出産のための部屋の準備
動物病院で胎児数を確認してもらいます。何頭いるのかわからないと不安が募るだけ。
自力出産できるかどうかも判定できます。
診察を受けておけば、予定日に急に手術が必要になったりした場合に対処してもらえるでしょう。

母犬が横になっても狭くならない大きさの段ボールの箱などを用意します。
おおきすぎると子犬が散らばり、母犬の子犬管理が大変になります。
母犬から離れてしまうと体が冷えて衰弱死してしまう事もあります。

箱は早めに用意し、母犬に慣れさせておきます。

箱の例

箱の高さは子犬が飛び出ない高さならばok
中には新聞紙・バスタオルなどを入れておきます。

ペットケージ、ペットサークルを使用する場合

ケージのすき間から子供が飛び出ないように、頭を挟まないように、10センチくらいの壁を
段ボールなどでつくります。段ボールは内側から張り付けるようにします。         
天井を取り外し出来るのであれば外しておくのが管理しやすいと思います。        

設置場所
母犬が安心出来て、人目が届くところが理想的です。
普段から犬が好んでいる場所のそばがよいと思います。

犬の性格によってはまったく人を寄せつけない場合もあります。
この場合は静かなところにおいてやります。

敷物
出産時は羊水などでかなり汚れます。不要のバスタオル、新聞紙などを多めに用意します。
出産中はバスタオルよりも、新聞紙をたくさん入れておいてどんどん取り替えていくのがよいでしょう。

出産が始まる徴候
出産が始まる6時間から12時間前になると、震えはじめたり、落ちつかずにそわそわしたり、
自分の部屋に入って巣づくり(新聞をちぎりはじめるなど)を始めます。
もっとも正確なのは、普段から直腸温を測定しておき、何時もよりも1度下がったら
その後6時間くらいで陣痛が始まります。                        
徴候があらわれたら、かかりつけの動物病院に連絡します。

陣痛
陣痛は人間と同様です。腹部を周期的に動かしはじめます。
初めは間隔が長く、徐々に短くなります。
陣痛の時間は、個体差もあります。早いものであれば、始まってから30分たらずで
出産が始まるものから、12時間くらいかかる場合まで様々です。
陣痛が始まったら係りつけの動物病院に電話連絡しておきます。

出産
最初は陰部から尿膜と言う膜が風船のように膨らんで出て来ます。
これが破れて破水し、しばらくすると羊膜に包まれた子犬のからだが見えて来ます。
このときは顔、前足、後ろ足が出て来ます。
犬の場合、逆子は心配ありません。
40%くらいが逆子で出ると言う報告もあります。

出産に際して、人間はなるべく手をかさないようにします。
頭が出るとあとはスムーズに出て来ます。
よほど巨大胎児でない限りはちゃんとでます。
(あらかじめレントゲンで胎児確認をする必要が有る理由はここにあります)
最初に体の一部が見えはじめてから30分経っても出てこない場合は引っ張りだします。
無理な場合は動物病院に連絡します。

子犬が無事出てきたら
通常は母犬が舐めて、羊膜をやぶります。
羊膜を破れないようならば人が手伝ってやぶいてやります。
この時、手は清潔に。

続いて、へその緒を見ます。
途中で千切れている場合は、なるべく子犬の体に近い部分で縛ります。
縛るのに使う糸は、木綿、たこ糸で構いません。なければ毛糸でも。
糸はあらかじめ煮沸消毒します。
へその緒が母犬とまだ繋がっている場合は、母犬側と子犬側の2ヶ所を縛り、その間を切断します。
胎盤が母犬から出てしまっている場合は、子犬側を縛って、縛り目を子犬に残すようにして切ります。
縛り目は子犬から1センチ位のところにつくります。近すぎても、遠すぎても良くありません。
へその緒の全長は2センチ位にしておきます。これは数日で乾燥して自然に脱落します。

母犬が子犬を舐めない場合は、人間がタオルで拭いてやらねばなりません。
温湯で軽く洗っても構いません。
拭いているうちに泣きはじめます。鳴けばとりあえずは安心です。
拭く時は口の中の羊水も拭き取ってあげてください。

呼吸をなかなかしない場合は、口の中をみます。
羊水をたくさん飲んでいる場合は頭を下にして子犬を振り回します。
次に、胸を人工呼吸するようにマッサージします。
通常はこれで呼吸します。
口で息をふきこむ必要があることもあります。この場合は、鼻と口両方から送り込みますので、
口のあたりをくわえて吹き込みますが、強く吹き込むと肺が破裂しますのでゆっくりとおこないます。

胎盤の処理
胎盤は1頭に1つあります。子犬の数だけ胎盤が出て来ます。
子犬と同時にでる場合と、後から出る場合があります。
ほっておくと、母犬が胎盤を食べてしまいます。
食べさせた方がよいという人もいますが、わたしは、下痢をするので
食べさせないように指導しています。

1頭出産してから次の出産までに30分から数時間かかります。長い場合は12時間くらい。

時間が掛り過ぎて、明らかに母犬が疲れはてている場合は陣痛促進剤を投与することもあります。
時間がかかりすぎている場合は動物病院に連絡します。

出産中は母犬に子犬を預けても良いのですが、陣痛のおきている間は、別の箱にタオルをひいて、
子犬だけ避難させておきます。つぶされる場合がありますので。
初乳は出産が終了してからでも間に合います。

出産後
母犬は出産後1ヶ月間、陰部からおりものが出ます。
出産から1週間以内に子犬の健康診断を受けます。
奇形などがないかをチェックします。
奇形の程度によっては、生まれて1週間以内に死んでしまいます。
外からみて判る奇形は治すことも可能ですが、心臓奇形を始めとする内臓の奇形の
場合は治せないこともあります。これらを含めて、診察してもらいましょう。

子犬の検診
2回目の検診は生後1ヶ月目に行います。
検便を行い、寄生虫の検査をします。
生後50日から60日目に初回の混合ワクチンを接種します。
生後90日目に2回目の追加接種を行います。
上記2回のワクチン接種でも免疫が成立しないケースが増えているようです。
現在私は生後120日目に3回目接種する事を薦めています。

子犬の社会化
人に飼われるにしても、犬の社会を理解せねばなりません。
散歩で犬にであったとき、吠えたり、威嚇したりしないで、フレンドリーに応対できるように
教育してあげる必要があります。これができれば、犬の連れ込みが可能なペンションや
レストランにもつれていくことができます。
同じくらいの年齢の子犬を集めた、パピークラスという、子犬同士の勉強会が開かれている
ところがありますので、参加することにより、子犬として知らなければならないことを勉強できます。
生後3ヶ月から6ヶ月位までに他の犬との接し方を学ばせるのが理想といわれています。
まだ免疫が不完全な時期に接する必要があるため、参加する犬たちは全員ワクチン済で、
絶対に安全な環境で接するようにしなければなりません。

母犬の食事
頭数により異なりますが、妊娠前よりも多く与えます。
多頭数の場合は乳量に合わせて増量します。
母犬に与えるフードの種類は高栄養のグロースなどを与えても良いですし、
いままで通りのフードを多く与えても良いでしょう。

子犬の食事
離乳までは母犬の母乳で育ちます。
母乳が足りない場合は子犬が鳴きます。
この場合、人工乳を与えねばなりません。
必ず犬用のミルクを与えます。
牛乳を与えては行けません。下痢をして、死につながります。

離乳
生後30日から40日で離乳を始めます。
離乳食は母犬が食べているフードを御湯でやわらかくふやかし、子犬用のミルクを
添加したものでもよいですし、市販されている離乳用フードでも構いません。
離乳食の食べがわるい場合は、ゆっくりと離乳時間をかけます。
慌てると離乳に失敗して、子犬を弱らせてしまいます。
離乳食にささみを用いる人がおりますが、あまりお薦めできません。
栄養バランスが悪いためです。ささみを上記の離乳食に少量混ぜるのは
効果的でしょう。ささみで離乳したために、後にささみしか口にしなくなり
栄養障害を起こすケースが少なく有りません。

お薦めできる離乳食
ヒルズのグロースを用います。缶詰でもドライフードでもよいです。
ドライフードの場合、お湯でやわらかくふやかし、犬用ミルクを混ぜます。
どろどろにやわらかくして、吸うことができるようにします。
慣れて来たら、徐々に固めにつくります。

離乳には2-3週間かけます。離乳中は母犬の母乳も吸わせておきます。

子犬を譲る時には完全に離乳が終わっている状態で譲り渡します。
不完全なままだと、体調をくずして、下痢をし、死んでしまうケースもあります。

譲り渡しの理想日齢は
最短でも60日齢までは母犬のもとで育てるのがよいと思います。
50日齢で初回ワクチンを行い、10日程経ってから渡します。
理想を言えば、生後90日まで親元で育てます。2回目のワクチンも接種してから渡します。

交配前に母犬に混合ワクチン接種をしておきましょう。
これにより、子犬に移行免疫をつける事が出来ます。
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